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八巻 徹也; 浅野 雅春; 前川 康成; 森田 洋右; 諏訪 武; Chen, J.*; 坪川 紀夫*; 小林 和博*; 久保田 仁*; 吉田 勝
Radiation Physics and Chemistry, 67(3-4), p.403 - 407, 2003/08
被引用回数:76 パーセンタイル:97.01(Chemistry, Physical)固体高分子型燃料電池用電解質膜に応用するため、線架橋(340,60~240kGy)して得られたポリテトラフルオロエチレン膜にスチレンを線グラフト、次いでスルホン化によって導電性基を導入した。スチレンのグラフト率は、グラフト重合に必要な線量,温度,時間を変化させることにより、5~120%の範囲で制御できた。このグラフトスチレン鎖にスルホン基を導入し、イオン交換容量を測定したところ、0.5~3.3meq/gの値を得た。スルホン基を含むグラフトスチレン鎖の膜内における分布状態を調べるため、イオウ元素をX線分析した結果、膜の内部にまで均一に分布していることが確かめられた。これらの結果を学会で発表し、論文投稿する予定である。
高橋 嘉夫*; 木村 貴海; 加藤 義春; 薬袋 佳考*; 富永 健*
Chemical Communications, (2), p.223 - 224, 1997/00
固液界面に吸着した金属イオンの化学種の構造に関しては、それに適用できる分析法が限られるために、未解明な点が多い。ここでは、初めての試みとして時間分解蛍光法をイオン交換樹脂に吸着したユウロピウム(III)の水和構造の研究に適用した。強酸性(スルホン酸系)及び弱酸性(アクリル酸系)イオン交換樹脂に吸着したEu(III)と、比較のために鎖状高分子のポリスチレンスルホン酸系及びポリアクリル酸系におけるEu(III)の水和数Nを測定した。強酸性樹脂にEu(III)はpH1で吸着され、7N8であった。ポリスチレンスルホン酸系ではほぼ9であるため、この違いは樹脂の網目状の骨格による効果と推定した。弱酸性樹脂にはpH4で吸着され、ポリアクリル酸系と同様に2.5N3.5であった。以上のように、水和数の直接決定により吸着機構の違いを定量的に証明することができた。
玉井 聡行*; 一ノ瀬 暢之; 河西 俊一; 西井 正信; 貴家 恒男; 橋田 勲*; 水野 一彦*
Chemistry of Materials, 9(12), p.2674 - 2675, 1997/00
被引用回数:18 パーセンタイル:62.4(Chemistry, Physical)石英基板上に作製したポリ(4-トリメチルスタニルメチルスチレン)フィルムにマスクを通してKrFレーザー光を照射し、キシレンで現像すると架橋反応による不溶化高分子のネガ型パターンが得られた。このパターンを電気炉中500C、2時間熱分解を行うと100nm厚の二酸化スズのパターンが得られた。パターンの大きさは熱分解前後ではほとんど変わらないことが原子間力顕微鏡観察により確認された。二酸化スズ薄膜の熱分解による形成は、未照射フィルムでは起こらないことが示され、現像工程を省いた場合でも二酸化スズのパターンが作成された。このことは高分子の熱分解による二酸化スズ薄膜形成において、二酸化スズ前駆体が架橋構造に閉じ込められることが必要であるものと考えられる。
玉井 聡行*; 橋田 勲*; 一ノ瀬 暢之; 河西 俊一; 井上 博夫*; 水野 一彦*
Polymer, 37(24), p.5525 - 5528, 1996/00
被引用回数:17 パーセンタイル:58.99(Polymer Science)ポリ(4-トリメチルシリルメチルスチレン)(PTMSMS)のスピンコートフィルムの低圧水銀灯(254nm)、KeFレーザー(248nm)による紫外線照射を行ったところ、いずれの光源によっても表面にカルボキシル基が生成し親水性表面を与えた。また、フィルム内部では架橋反応が進行し、照射部分が不溶化した。一方、ポリスチレン、ポリ(4-メチルスチレン)では照射により親水化反応が起こったが、フィルムは易溶化した。これらのPTMSMSの光反応性は励起状態におけるC-Si結合の開裂が主鎖ベンジル位のC-H結合に対して優先することに起因することが結論された。フォトマスクを用いてPTMSMSの親水化反応、架橋反応のマイクロパターニングを試みたとろ、KrFレーザーを光源とした場合において数マイクロメートルのパターンが容易に得られた。これはレーザー光が高い指向性をもつためと考えられる。
宮嶋 勝春*; 吉田 勝; 佐藤 宏*; 大道 英樹; 片貝 良一*; Higuchi, W. I.*
Radiation Physics and Chemistry, 46(2), p.199 - 201, 1995/08
被引用回数:6 パーセンタイル:54.86(Chemistry, Physical)パルス的に薬物を放出できる機能性ゲルを放射線法で調整する目的で、14C付近で体積相転移を伴う温度応答性アクリロイル-L-プロリンメチルエステル(A-ProOMe)ポリマーゲルに疎水性のスチレン成分を放射線共重合法により導入し、さらにヘルペスウイルスの治療薬として知られている9--D-アラビノフラノシルアデニン(Ara-A)を包括させた。このゲルは、電子顕微鏡観察の結果から、筆者の命名したポンプ型マトリックスであることがわかった。ゲルからのAra-Aの放出性能を、10Cと37Cの間でサイクルさせて調べたところ、パルス的に薬物が放出されること、放出量はそれぞれ11ng/hと33ng/hとなることがわかった。このような薬物のパルス的放出は、ゲルに含まれるsf組成により制御できる見通しを得た。
S.B.Samat*; 大井 義弘; 滝 光成; 間辺 巖; 吉田 真; 南 賢太郎
JAERI-Tech 95-010, 51 Pages, 1995/03
現在、Ge半導体検出器の校正は気泡セメント線源を用いている。この線源の作製には、ある程度の熟練を要するため、異なった密度を持つ校正用線源の作製を検討すると共に、形状、組成及び密度に関する検出効率の特性、線源の調整方法の再現性等を調査した。気泡セメント、液体、ビーズ(ガラス:6mm、2mm、発泡ポリスチレン及び硬質プラスチック)の5種類の材料を使用し、密度、高さをパラメータとする3組の線源を作製した。これらの線源をHpGe検出器を用いて測定した。その結果、全ての線源の測定値には再現性があり、調整方法の妥当性を確認することができた。低エネルギー側では、組成の違いにより検出効率が変化するため、その組成を十分考慮する必要があること。100keV以上の線では気泡セメントと良く一致し、密度の異なる校正用線源として使用できる結果が得られた。
青木 康; 南波 秀樹; 細井 文雄; 永井 士郎
ACS Symposium Series, 579; Polymeric Materials for Microelectronic Applications,Science and Technology, 0, p.45 - 50, 1994/00
簡易イオンビーム発生器(200keV)からのHeイオンを照射中に、ポリスチレン、ポリ(2-ビニルナフタレン)ポリ(N-ビニルカルバゾール)からの光を光ダイオードアレイヌは光電子増倍管を用いて、分光分析した。上記の芳香族フィルムからの発光は、照射直後から観測されるエキシマー発光の他、ポリスチレン、ポリ(2-ビニルナフタレン)についてはイオンフルエンスが10(ions/cm)から10(ions/cm)にわたって生成してくる新しい発光が得られた。モノマー発光は得られなかった。新しい発光については、その生成速度がエキシマー発光の消滅速度と一致し、イオントラックの重なりにより起こる現象と考えられる。
小林 雅道*; 吉岡 俊典*; 小笹 健仁*; 田代 孝二*; 鈴木 淳市; 舩橋 達; 和泉 義信*
Macromolecules, 27(6), p.1349 - 1354, 1994/00
被引用回数:44 パーセンタイル:84.8(Polymer Science)幾つかの有機溶媒中に分散したシンジオタクチックポリスチレンの物理ゲルの分子凝集構造を中性子小角散乱により観測した。散乱曲線はフラクタル構造からの理論曲線によりフィッティングされ、相関長、フラクタル次元が決定された。散乱曲線は、溶媒により大きな変化を示し、クロロホルム中性子のゲル構造はオルトジクロロベンゼンやカーボンテトラクロライド中の構造と異なることが明らかとなった。これはクロロホルム中では高分子のTTGG構造の存在が他の溶媒中と比較してはるかに少ないことを意味する。
江川 博明*
PNC TJ6614 92-001, 20 Pages, 1992/03
カナダ産ウラン鉱石酸浸出液中のウランを分離・回収するプロセスの開発を目的として、大過剰のニッケル及びヒ素の共存下においてウランを選択的に吸着するキレート樹脂の開発を行った。前記酸浸出液の液性等を考慮し、本研究室における従来の研究成果を基に、巨大網状構造(MR型)を有するスチレン-ジビニルベンゼン球状共重合体(RS)にホスフィン酸基およびホスホン酸基を導入したキレート樹脂を合成した。ホスフィン酸基を有する樹脂RSPはRSを無水塩化アルミニウム存在下三塩化リンと反応させ加水分解して合成し、ホスホン酸基を持つ樹脂RSPOはRSPのホスフィン酸基を硝酸で酸化して合成した。またRSにメチレン基を介してホスホン酸基が結合した構造の樹脂RCSPは、RSをクロロメチル化したのち、無水塩化アルミニウム存在下三塩化リンと反応させ加水分解して合成した。これらの樹脂を充填したカラムに、カナダ産ウラン鉱石酸浸出液を通液した場合、ウランとモリブデンは各樹脂に強く吸着されるがニッケルとヒ素は殆ど吸着されないことが判った。すなわち、酸性度の調製など特別な前処理なしで、カラムへの通液のみによりウランをニッケルとヒ素から分離可能である。ウランの破過吸着容量はRSPRSPORCSPの順に増大した。また吸着されたウランとモリブデンの分離も容易である。1M水酸化ナトリウム溶液を通液すれば、モリブデンのみが迅速かつ定量的に溶離される。一方、ウランは0.2M炭酸ナトリウム溶液または1M塩酸溶液で溶離可能である。しかしこの条件ではまだウランの回収が定量的ではないので、最適溶離条件の探索が必要である。比較の目的で、代表的な強酸性陽イオン交換樹脂SP120(MR型)及びSK104(ゲル型)による同様の検討を行ったが、ウランの選択的分離は不可能であった。 以上本年度は、本研究で開発したキレート樹脂、特にRCSPがカナダ産ウラン鉱石酸浸出液中ウランの高選択的分離・回収に有効に利用できることが明かになった。
和泉 義信*; 片野 進; 舩橋 達; 古坂 道弘*; 新井 正敏*
Physica B; Condensed Matter, 180-181, p.539 - 541, 1992/00
被引用回数:12 パーセンタイル:59.53(Physics, Condensed Matter)二硫化炭素中のアタクチックポリスチレンの分子形態を中性子散乱によって、170Kから300Kまでの温度範囲でしらべた。温度が低くなるにつれて、分子鎖の振舞は枝分かれした高分子間の結合が増加して行くことを示すようである。この結果は、この系のゾルーゲル転移の原動力と重要な関係がある。
和泉 義信*; 片野 進; 舩橋 達; 古坂 道弘*; 新井 正敏*
Physica B; Condensed Matter, 180-181, p.545 - 548, 1992/00
被引用回数:12 パーセンタイル:59.53(Physics, Condensed Matter)二硫化炭素に溶解したアタクティックポリスチレン(aPS)のゾルーゲル転移を中性子回折によってしらべた。実験は、通常のaPS(aPSH)、重水素化aPS(aPSD)及びその混合物について稀薄領域と半稀薄領域の小角散乱の温度変化をくわしくしらべて行った。稀薄aPSDは室温では単純な鎖状分子の溶液であるが、低温では分枝点が多数生じ、最低温の170Kでは粒子間の干渉性散乱まで見られる。半稀薄領域の場合には、鎖の運動が近傍する鎖によって大幅に抑制されているなどの結果が得られた。これらの結果と、広角での回折を総合すると、ゾルーゲル転移はaPSと二硫化炭素の間の特別の相互作用を通じて、鎖間の結合が生じることによって発生していると考えられる。
松本 史朗*
PNC TJ1609 91-002, 48 Pages, 1991/03
再処理施設から放出される放射性廃棄物の環境影響評価は、これまでソースターム、放射性物質の環境中での移行等を考慮したモデルによる評価がなされてきた。今後、より現実的な評価を行う観点から、施設から放射性廃棄物の物理・化学形態、また、環境中でのこれら物理・化学形態の変化が、その環境影響評価に与える影響について調査することが必要と考えられる。使用済燃料の再処理において発生する放射性気体には、3H、14C、85Kr、129I、131Iなどの気体状放射性物質が含まれるが、被爆線量当量は129Iが最も大きく、ヨウ素の施設内および環境中での挙動が極めて重要と言える。ヨウ素は軽水炉燃料中ではペレット中にヨウ化物(主にCsI)として均一に分散されていると考えられている。燃料の溶解工程では酸化ウランの硝酸による溶解の際に生成される亜硝酸によって酸化され、I2としてオフガス中に大部分が放出されるが、一部は溶解液中に残存する。残存ヨウ素は共除染工程以後の工程にとり込まれ、有機ヨウ素の形態で槽類オフガス中へ移行すると考えられている。また、高レベル廃液には242Cm、244Cmが含まれていることから、これらの核種は自発核分裂によって131Iを発生する。従って、ヨウ素の除去のみならず、放出時のヨウ素の物理・化学形態を知る上でもヨウ素の再処理プロセス内の挙動を的確につかまえておくことが必要である。本調査研究では再処理施設の工程内を主対象としたヨウ素の挙動について、最近の文献を中心に調査し、その概要をまとめた。また、最近開発された疎水性ヨウ素吸着剤の特徴およびその利用についての考え方をまとめ、ヨウ素の再処理工程内および環境中での物理・化学形態を検討することにする。
小島 拓治
Isotope News, (395), p.6 - 7, 1987/00
アラニン線量計の実用化では、均一に再現性良く量産可能な素子と簡便で高精密な専用測定器との一体化を図ることが重要である。本報告では、・X線の高線量精密測定用として製品化を行ったポリスチレンで成形したアラニン線量計素子とその線量計基本特性、専用測定器の検討、実用線量計およびトランスファー線量計としての応用などについて述べる。線量測定可能な範囲は1-10Gyと広く、精密度は1%以内とこれまでの固体線量計にない最高レベルである。また専用測定器として、永久磁石を利用した小型のESRを用い、コンピュータ制御による自動測定システムの開発を行っている。これにより、読みとりの精密化と高速化が進められている。アラニン線量計は、放射線プロセスの品質管理用、放射線場での劣化診断等の実用線量計として、線量標準化の新しい手段としての応用が期待される。
小島 拓治; 田中 隆一; 森田 洋右; 瀬口 忠男; 吉田 健三
JAERI-M 86-137, 21 Pages, 1986/09
アラニン線量計は、放射線によってアラニンに生じるラジカルを電子スピン共鳴を用いて測定し、線量測定を行なう方法である。ガンマ線の高精密線量測定を目的として、ポリスチレンを用いて成形したアラニン線量計(PS-アラニン線量計)を開発した。PS-アラニン線量計の有効測定範囲は5~10Gyであり、50~510Gyでは線量に正比例し、線量応答のばらつきは10~10Gyで1%以内、5~10Gyで2%以内であった。また、線量応答は照射中の温度に依存するが、その温度係数は-40C~+50Cで0.29%1Cであった。通常の保存条件下(25C,湿度60%)では、照射後の線量応答は極めて安定しており、高温での加速試験から2%減少する期間は4年間と推定された。
吉田 勝; 浅野 雅春; 嘉悦 勲
Eur.Polym.J., 21(9), p.777 - 779, 1985/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Polymer Science)アルキルアミノ置換基をもつスチレン誘導体(CH=CH・CH・CHCHNRR)のポリマーは生体適合性素材として高く評価されている。これらのモノマーの放射線重合性については、今まで全く報告されていない。そこで、我々はCo線源からの線を用いて、-96Cから25Cの温度範囲でのモノマーの重合性について検討した。例えば、(2-isopropylaminoethyl)-4-vinylbenzene(IPVB)のガラス転移温度(Tg)は-94Cであるが、-96C、-78C、-55C、-37C、-24C、0Cそして25Cの温度下、410rad照射した時のIPVBの重合収率は各々2.4%、27.4%、39.9%、35.7%、36.4%、54.8%、そして71.3%となった。この線量でのポリマーはやわらかくガム状であったが10rad以上照射したポリマーはかたく、透明な状態を呈した。これらの結果と、粘度、IRのデーターから重合メカニズムについて考察した。
幕内 恵三; 片貝 秋雄; 中山 博之*
Journal of Coatings Technology, 55(698), p.29 - 37, 1983/00
自己硬化性のモノマーであるN-(n-ブトキシメチル)アクリルアミド(NBM)の共重合体ラテックスを、放射線による半連続重合法により合成した。粒子構造とラテックスのコロイド的性質、硬化フィルム物性を検討し、芯部が橋かけし、皮部が低分子ポリマーから成る粒子のラテックが、最もバランスのとれた物性を示すことが明らかとなった。NBMは芯部には平用で、皮部のNBMだけで十分な自己硬化性を示した。皮膜光沢はスチレンの使用で向上した。芯部橋かけの効果は、耐久性にあらわれた重合プロセス上の因子として、モノマー供給速度と乳化剤の分割について検討した結果、これらの因子によりラテックスのコロイド的性質や皮膜物性が強く影響されることが判った。モノマー供給速度は0.66%/分、乳化剤は半量モノマーに溶解する方法で、バランスのとれたラテックスが保たれた。
島田 真知子*; 中村 好雄*; 日馬 康雄; 宇田川 昂; 武久 正昭
J.Appl.Polym.Sci., 27, p.1259 - 1268, 1982/00
被引用回数:4 パーセンタイル:30.88(Polymer Science)シリカゲルに吸着したスチレンの放射線重合に対するシリカゲル比表面積の影響をESRでしらべた。比表面積が異なっても生成ラジカル種は同一であったが、室温における安定性が異なり、シリカゲル表面でラジカルが消失していることが明らかになった。シリカゲル表面積にスチレンが吸着しているとシリカゲルラジカルが重合を開始し、ポリスチレンを照射した際に生じるラジカルと同様のラジカルが観測されるが、比表面積の大きなシリカゲルのラジカルは表面に拡散しやすく重合挙動と比表面積の間に深い関係が見出された。
江草 茂則
Journal of Colloid and Interface Science, 86(1), p.135 - 143, 1982/00
被引用回数:9 パーセンタイル:39.93(Chemistry, Physical)ストップド・フロー法によってコロイド粒子の粒子径を簡単かつ迅速に測定することを試みた。その結果、コロイド粒子が急速凝集する動力学的挙動からそのコロイド中の全粒子数を求めたのち、コロイド中の固形分の量をその粒子数で割ることにより粒子のサイズを見積ることができた。この計算に必要なデータはすべて、急速凝集と光散乱に関する理論から得ることができた。この方法の有効性は、粒子径が既知の単分散ポリスチレンラテックス(粒子径:0.054~0.765m)を用いて確認することができた。さらに、この方法を単分散でないコロイド粒子径に適用した場合には、重量平均粒子径に近い平均粒子径が得られることが経験的にわかった。
江草 茂則; 幕内 恵三
Journal of Polymer Science; Polymer Chemistry Edition, 20, p.863 - 874, 1982/00
アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸(AAc,MAAc,IAc)などのカルボン酸モノマーとスチレンとの放射線乳化共重合を行なった。これらの酸モノマーの重合挙動を、電導度及びpH滴定法により追跡したところ、重合速度は疎水性の順、つまりIAcAAcMAAcの順に増加し、さらにその重合の場は主として生長粒子の表面及びその近傍であることが明らかになった。一方、スチレンとこれら酸モノマーとの共重合速度は、スチレンの単独重合速度と比較して、AAcとMAAcの場合には増加するがIAcの場合には減少することがわかった。ストップドフロー法によりラテックスの粒子径を測定したところ、この共重合速度の変化は生長粒子の数によっては説明できず、むしろスチレン分子の油滴から生長粒子への輸送速度によって説明すべきであることが示唆された。
三井 光; 清水 雄一
Journal of Polymer Science; Polymer Chemistry Edition, 19, p.1539 - 1552, 1981/00
0~76wt%のスチレンをグラフト重合したポリエチレンの線分解を、真空中、30~100Cで行った。線量率は6.3510rad/hrであった。水素およびトランスビニレン基の生成量はポリマー中のスチレン単位の増加とともに減少し、これらの生成速度はそれぞれの濃度に関し一次の生成反応とゼロ次の消失反応を仮定した速度式によって表すことができる。ゲル分率は、照射時間および温度によって、ポリマー中のスチレン単位の増加とともに種々に変化する。ゲル分率はCharlesby-Pinnerの式を用いて解析した。これらの速度論的解析によって、スチレンをグラフト重合したポリエチレンの線分解では、水素の生成反応が幾らか阻害され、橋かけおよび主鎖切断反応は促進されるが、水素の消失反応ならびにトランスビニレン基の生成および消失反応はほとんど影響を受けないという結果を得た。以上の結果について、反応論の観点から考察した。